ポルシェタイカン。
試乗してみた。
みなさんはタイカン、かっこいいと思うかな?
主観的なところは置いといて、プロポーションについて考えてみたい。
というわけで先ずは数字を。
タイカンの寸法は、全長4963 全幅1965 全高1380 mm。
ここでは全高について考えていく。
タイカンの全高、BEVの中でかなり低い。
4ドアセダン/クーペの対抗車があんまり無いけど、例えばテスラ
モデルS 全長4978 全幅1964 全高1440 mm
モデル3 の全高も同じくらいの1443mm。
モデルSは出たての頃に試乗したことがあって、運転席の空間はモデルSはもちろんセダン的な感覚。
タイカンの方は前方上側の見切りが低めでスポーツカー的な感覚。
で、驚いたのが後席。
タイカンの後席に乗り込む時、
「あれ?床が低い?」
運転席に乗り込んだ時より明らかに床が低い。
「これって、もしかしてここにバッテリー無いのか??」
で、調べてみると、こんな透視図が。
見事に後席足元だけバッテリーが無い(画像右側は車両進行方向ね)。
代わりに後席のシート下はバッテリーの高さがあって、シート自体も厚みを感じる系では無かった。そんなに悪くも無かったけど。
ここまでやって、後席室内高はギリギリといったところ。
身長180cmの僕がギリギリ頭あたらないくらい。
タイカンとモデルSを改めて側面視で眺めてみると、タイカン、4ドアなのにルーフラインの落ち方がまさにクーペのそれ。
これは他の量産4ドアEVではなかなか見られない。
デザインの自由度でいえば、モーターはエンジンに比べて小さい(補器類も少ない)から、BEVのほうがボンネットまわりのデザインの自由度は高い。
それは例えばボンネット高が低いとか、フロントオーバーハングが短いとか。
だけど、高さ方向でいうと、多くの、というかほぼすべてのBEVは床下にバッテリーを敷き詰める方式をとることが制約になる。
従来のガソリン車、床下は特に何もなかったので。
また、バッテリーをホイールベース内側に搭載する観点から全長に対するホイールベースが長くなる、特にフロントオーバーハングが短くなる、というのもあるけど、これは外観上は好ましい方向。
最小回転半径(wall to wallではなくタイヤ軌跡の方)が大きくなっちゃうというのはあるけど。
というわけで主に高さ方向がキビシイ。
例えばマツダCX-30のEV版(中国で売ってる)。
SUVベースでもこんだけ下にバッテリーがハミ出る。
他の例で、乗ったことがある中でいうと、Audi e-tron
4900x1630x1935mmもある巨体なのだけど、こいつもTHE高床式。室内高が低い。
マッスルカーを語るときに、人間ではなくエンジンが主役、ボンネットが長いほど偉い、みたいな価値観が少なくとも僕にはあったりするんだけど、
EVはバッテリーが主役、みたいな感じがしたなー。
人間様のスペースを侵食しやがって、と。
エンジンなら許せるけどバッテリーだと許せない、のかなー。
これの対偶で、モーターなら許せるけど、ガソリンタンクだと許せない、も成立しそうだな。うん。
ちょっと違う例でかつての初代ベンツAクラスは、FCEV化を視野に入れて、床下にバッテリーを搭載するために床が二重構造になってたりしたな。
ガソリン車にとっては無用の長物、というか重心が上がってエルクテスト(ダブルレーンチェンジ)で転倒したりしてたな。
話は戻って、BEVは乗員とバッテリーのスペースの取り合いが一つのカギ。
レイアウトの工夫だけでなくて、バッテリーの小型化も大事なのは言うまでもないね。
ポルシェはバッテリーの電圧を上げて電費を向上したりしてる。
従来の多くのEVが400Vのところ、ポルシェは800V。ちなみに800Vを採用するメーカーも増えている模様。
タイカン並みにかっこいいEVが増えるといいなと思うので、最後に期待を込めてコンセプトカーを一台見てみよう。
レクサスのおそらくEVスポーツセダンコンセプト。
んー。なんとなく、ルーフ高くないか。電動車では世界TOPのトヨタもBEV界では後発。
逆転のためにはもっとバッテリーレイアウトを工夫した、タイカン並みにかっこいいセダンを出してほしいな。
トヨタじゃなくて、レクサスブランドで出すんだから。
では!