乗り心地のお手本車!プジョー208!! これに乗ると車観が変わるかも!?

まっすぐ走る車とは

100台以上の車を運転して、もっとも乗り心地が良かった車のひとつを紹介。

それは、プジョー208。

これ!

この車の何がすごいかの前に、そもそも良い乗り心地って何?というのを説明してみる。

硬い柔らかいの二元論では無い、というのがポイント。

・ブルブルなどの余計な振動が入ってこないこと。

 ブルブルというのは明確な路面のデコボコを踏んでどうこう、というより、車がずっと(あるいは勝手に)揺れてるようなイメージ。

 主に足でフロアの振動を感じることが多い。

 これは、フロアの剛性不足だったり、エンジンやミッションのマウントとサスペンションやタイヤの共振だったりが原因。

・減衰の応答がいいこと。

 減衰というのは、揺れの収まりのこと。

 下はKYB(最大手のダンパーメーカー)のHPより。

https://www.kyb.co.jp/kybclub/shockabsorber/about.html

 この揺れを止める装置がダンパー(ショックアブソーバーとも言う)なのだけど、人間が感じる硬さはこのダンパーによるものが大きい。

 ものすごく大雑把に言うと、減衰力が大きい方が硬い。

 そして減衰力が小さいとフワフワした感じになる。

 さらに、減衰力の発生度合いを揺れの速度に合わせてセッティングできる。

 注射器とか水鉄炮を想像してほしい。

 ピストンを速く動かそうとすると抵抗が大きくなるよね。

 だから、普通にやると揺れが速いほど減衰力が大きいことになる。

 じゃあどうやって調整するかというと、揺れが速いとこで高まる圧力によって穴が開くバルブをつける。

 で、この減衰なのだけど、常に額面通りの(テスターで測った通りの)減衰力が出るわけではない。

 特にダンパーの動き始めのところの応答。

 ダンパーは中に油が入ってるが、それが漏れたらまずいので、ゴムシールがしてあるのだけどそれのフリクションであったり、ボデー側の剛性不足でダンパーに細かい振動が入って閉まるべきバルブが開いてしまったり、ダンパーの取り付け部に使っているゴムブッシュが柔らか過ぎて同じことが起こったり。

 もちろんダンパー側のつくりによることも多い。

 この応答がいいと、低い減衰力でも充分に感じたりする(途切れ途切れに高い減衰が出るのと低い減衰がずーっと出てるのとはトータルで同じ、みたいな)し、高い減衰力でも硬いと感じにくかったりする(これは叩くと押すの違いをイメージしてもらうといい。ピークの力が同じでも叩かれると痛いけど、じわーっと押されると痛くない)。

 はい。前置きが長くなりました。

 で、プジョー208、この点とても優れている。

 ブルブルを感じない車はまあそれなりにあるのだけど、あそこまで減衰の応答がいい車、ポルシェ(乗ったことあるのはマカン)くらいしか思いつかない。

 どんなに小さな揺れも逃さず、遅れなくダンパーが揺れを止めに行ってくれる感じ。

 でも減衰力そのものは高くない感じ。なので硬くはない。

 ただ、おそらく大きな速い入力にはそれなりに高い減衰力が出てる(リニア特性)。

 でも、その高い減衰に至るまでの過程がスムーズというかリニアというか、なので硬い、ではなくしっかりと言う感じ。

 或いは、縮み→伸びに反転する時もダンパーとしては伸縮のスピードが一瞬ゼロになるのだけど、そこもスムーズにつながるからショック感が出ない。

 このダンパーはマレリ製らしく、王道のSACSとかビルシュタインとかでもない。

 もちろんマレリがとびきりいいダンパーを作ったという可能性もあるけど、

 車体としてダンパーが額面通りの仕事ができる環境をととのえてあげられている、というのも大きいのではないか。

 このへんはどんなパーツでも同じで、メーカーとサプライヤーとの共同作業というか、合作というかなのだけど。

 ボデー側でいうとなんなのだろう。

 局部剛性の高さ?ブッシュのチューニングの妙(硬いブッシュでもノイズが気にならない→それも局部剛性か?)?

 なんとなく簡単には数字にできない良さがあの車のボディにはありそうな気がする。

 とにかく一度乗ってみてほしい。

 伝説の名車(ベンツで言ったらW124とか?乗ってみたい!)に乗るのは簡単ではないというか、ツテがいるけれど、新車のプジョーなんてネットで試乗車検索して予約してディーラー行ったら誰でも乗れる。

 ディーラー行ってタダで車乗るだけ乗って帰るなんて気が引ける?

 大丈夫。フランス車なんて乗ってもらわないと良さが伝わらないんだから、ディーラー側はウエルカム。

 買ってくれなくても、乗ってその良さがちょっとでも広まれば儲けもん。

 ちゃんとWIN-WINになってる。

 真っ直ぐ走る的な論点でいくと、イマイチポイントは舵感。

 これは最近のプジョーには共通だと思うのだけど、なんというか、バーチャルな感じ。

 特にハンドルをきったところから戻す時。

 おそらく電動パワステのいわゆる戻し制御というやつが強め。

 生のステアリングや油圧のステアリングとは違うつながりかたで戻そうとしてくる。

 なのであくまで乗り心地のベンチマークとしてひとつ乗ってみてほしい。

 ちなみにBEVのe-208とガソリンの208があって、それぞれにGTというスポーツグレードとアリュールというノーマルグレートがあるけど、おすすめはガソリンのアリュール。

 e-208はばね上の重さに対して減衰が足りてないorバネレートが足りてない感じで、ちょっと船みたいに長周期でゆすられる感じがある。

 車重に対してダンパーの太さが足りてない(ダンパーは太いほど効率的に減衰を効かせられる)のかもしれない。

 

 では週末はお近くのプジョーディーラーへ!笑

 (もちろんプジョーから一銭も貰っていません笑)

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